繰り返し起こる!顎関節症

Pocket

程度の差はあれど、日本人の二人に一人が経験するという顎関節症。何度もあごの不調を感じているけれど、放っておいても治るからそのままにしている、という方も多いのでは?
今回はつい油断しがちな顎関節症について詳しくお伝えします。

■顎関節症とは

顎の関節およびその周囲に、痛みや音が鳴る、口が開きにくいなどの症状が現れます。
顎関節に負担がかかるような状態が続いたり形が歪んでくると症状がひどくなるようです。
特定の原因というよりは、さまざまな要因が重なることで起きます。昔は噛みあわせの悪さが引き起こすといわれていましたが、必ずしもそれが原因ではありません。

■顎関節症のおもな症状

・痛み

口を開けたり閉めたりするときに、顎やその周囲の筋肉に痛みが出ます。物を噛んだときに痛みが走ることも。顎の周囲に炎症が起きているため動かすと痛みが出ます。痛みがひどいときは鎮痛剤や抗炎症剤の力を借りるのも一手です。なるべく口を開かずに過ごし、顎に負担をかけないことが大切です。食事もやわらかいものをとるようにしましょう。

・音が鳴る

顎の動きに合わせてミシミシやポキポキといった音がしたことはありませんか。顎関節の軟骨がこすれたり動いたりしているのが音の出る原因です。痛みがなく口の動きにも問題なければ様子をみることが多いですが、音が異常に大きかったり、音がしだいに変わってくるようであれば診察を受けることも考えてください。

・口が開かない

口は4センチ以上開くのが通常ですが、顎関節症がひどくなると指1本のすき間しか開けられなくことがあります。こういう時に無理に口を開かせるのは危険です。暖めたりマッサージをしたりしながら関節をほぐしていき、少しずつ口を開いていきましょう。

・噛み合わせがずれる

顎関節の変形や軟骨のずれによって、噛み合わせのときに口が完全に閉じなかったり、上下の噛み合わせがずれたりします。治療によって改善できる場合がありますが、難しい場合はずれたままでも噛めるように噛み合わせを変えていくことになります。

・体調不良

顎関節症によって体全体のバランスが崩れてしまい、首や肩に痛みが出たり、頭痛や腰痛、耳鳴りなど全身症状につながることがあります。軽度のうちはマウスピースなどで改善できますが、ひどいときは整体で全身の具合を調整していく必要も。

■顎関節症の原因

・歯ぎしり

歯ぎしりというと寝ている間のことと思いがちですが、実は何かに集中しているときや重いものを持つときなどに無意識で行っていたりします。他にも歯を食いしばったり、カチカチと音をさせてみる癖も顎関節に大きな負担をかけてしまいます。眠っているあいだはマウスピースをはめて、起きているときは歯に力を込めないように普段から意識することが大切です。

・ストレス

ストレスによって体が緊張状態になると先述の歯ぎしりや食いしばりの原因になり、顎関節に負担をかけることになります。特にうつ病になると体が緊張しやすく、うつと顎関節症を併発してしまうケースもあります。

・噛み癖

痛みや癖などが原因で左右どちらかの歯でばかり食べ物を噛んでしまう方がいます。もちろん片側にばかり負担がかかりますので顎関節にはよくありません。痛みがある場合は治療し、左右両方で噛むように意識しましょう。

・姿勢や癖

意外にあごに負担をかけてしまうのは猫背です。他にも頬杖をついたり、うつ伏せで寝たり、同じ足ばかり組むのもおすすめできません。また口を使う楽器を日常的に演奏することもあごとその周囲の筋肉に負担をかけます。姿勢の悪さに思い当たりのある方はヨガや整体などでバランスを整えることも考えてみてください。

・歯列の乱れ

20代~30代になると、10代のころにくらべて骨や筋肉が硬くなってきて、歯並びの乱れからくる噛み合わせの悪さが、あごに負担をかけてしまいます。可能であれば10代のあいだに矯正治療をすることによって、成人してからの顎関節症のリスクを軽減できます。

・打撲などの外傷

あごの関節はものを食べるたびに動かさなければならないので、腫れや痛みのある炎症が起きてもなかなか炎症が引きにくく長期化する傾向にあります。けがをした直後は患部を冷やすなどのケアが大切です。

■顎関節症の治療にはどんなものがあるの?

マウスピースであごの位置を調整したり、ごくまれですが外科手術することもあります。痛みや炎症の対症療法としては、薬でおさえたり患部にレーザーを当てるなどがあります。

■近頃増えている顎関節症

顎関節症にかかる人の割合は右肩上がりする一方です。昔に比べて柔らかい食べ物が増えたことが一因のようですが、若い女性は特に顎関節症になりやすい要因が男性よりも多いのです。もともとが男性よりも噛む力や靭帯が弱いのに加え、ハイヒールを履くことで姿勢が悪くなっていることも原因のようです。他にもストレスやホルモンバランスなどが関係して発症したりもします。顎関節症は若い世代に多く50代をすぎるとほぼ見られなくなりますが、それは若いときのほうが仕事などのストレスが大きいせいかもしれません。
また顎関節症をくり返している方は、歯を食いしばっていたり姿勢が悪いなどの生活習慣が原因であごに負担をかけている場合があります。意識して改めていくようにしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です