矯正治療中は痛みがあるとはよく聞きますが、一体どのくらいの痛みなのでしょう? もちろん個人差はありますが、はじめは痛いけど慣れれば平気という声が多く聞かれます。どんな痛みなのかというと、歯をワイヤーなどで強い力を加えて少しずつ動かしていくので、虫歯にような神経的な痛みとは違い、歯の根からくる痛みというのが近いでしょうか。
今回は、矯正治療中に生じる痛みについて……痛みの主な原因とその対処法などをお伝えします。
■矯正中に痛みが生じるときのはどういうとき?
・装置をつけたばかりのとき
はじめに装置をつけてから約1週間のあいだは痛みが続きます。しだいに落ち着いてきますが、痛みがピークのときは何もしなくても痛いです。物を噛むのにも痛みがあります。
そして一般的なブラケット矯正ですと3週間から4週間に一度の間隔でワイヤーを交換するのですが、交換したてのときにまた痛みが生じます。これは個人差がありますが、おおむね1日から2日でおさまります。矯正装置をつけている2、3年のあいだは、月に一度痛い時期があると考えてください。
・ものを噛んだとき
これも慣れてくると感じなくなりますが、装置をつけたてのときと交換したてのときは物を噛むと痛みが生じます。バイキングや食事会などは矯正歯科に行く前に予定を入れることをおすすめします。
・頬の裏側に装置が当たっているとき
一般的なブラケット装置を装着した場合、ブラケットやワイヤーがつねに頬や唇の裏側に接触している形になり、慣れるまでは痛みがあります。また装置が接触している箇所に口内炎ができる方もいます。
・頬の裏側を噛んでしまったとき
矯正すると噛み合わせも正しい位置に変わっていきますので、慣れないうちは頬を噛んでしまうことも。
■痛みがひどいときは?
装置をつけたばかりの頃、や交換したての頃は何もしなくても痛みがありますので、耐えられない場合は痛み止めを服用するのもひとつの方法です。また装置が当たっているせいで痛いときはワックスをいう半透明な粘土のようなもので装置を覆うこともできます。これは食事などで取れることもありますが飲み込んでも問題ない素材でつくられているので安心です。ワックスは矯正歯科でつけてくれます。
・痛みがあるときの食事
上記のように装置をつけたばかりの頃や交換したての頃はものを噛むのも痛みがありますので、なるべくやわらかいものがおすすめです。
たとえば、
- おかゆ
- 豆腐
- 麺類
- プリンやゼリー
- ヨーグルト
などなど。
また痛みが和らいできても、硬いものや噛み切りにくいものを無理に食べようとすると矯正装置が外れたりすることがあります。矯正治療を始めてしまうと、食べる物にもある程度を気を使わなければいけないことを覚悟してください。
たとえば硬いお煎餅は矯正器具の破損に繋がりやすいので、食べるときは小さく割るなどする必要があります。お餅やガムは装置にからまったりするのでおすすめできませんし、フランスパンなども前歯でかぶりついたりすると装置が外れてしまうことがあるので注意です。他にもお肉のすじやほうれん草などの繊維が装置にからまりやすいので、前歯を見せて笑ったときに恥ずかしい思いをしてしまうことも。外出先でそういうものを食べるときは装置の細かいところまで掃除できる歯間ブラシを持ち歩くのがおすすめです。
■まとめ
歯列矯正は痛みがつきものです。年齢が低いほど、痛みが少ないと言われています。特に子どものうちは歯の周りの骨がやわらかく、歯が動きやすいのです。ただ子どものうちは歯並びの大切さになかなか気づけないもの。矯正中の痛みはそのぶんだけ歯が動いてくれているのだと前向きにとらえましょう。矯正治療の痛みや不便に耐えたあなたは、きっと美しい歯並びを手に入れることができますよ!